医療機関で処方される医療用医薬品とは?
医療機関で処方可能なダイエット効果のあるお薬は、主に4種類あります。
同じダイエット目的といっても、それぞれ効果や役割が大きく異なります。
種類 | 効果 |
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食欲抑制剤 | 脳の食欲を司る神経に作用し、食欲を抑制する作用があります。 食事量を抑えカロリー摂取を減らします。 |
リパーゼ 阻害薬 |
腸からの脂肪吸収を抑制し、体重を減少させる働きがあります。 食事から摂取する脂質の30%を便として排出すると報告されています。 |
GLP1受容体 作動薬 |
血糖値を上がらせないようにする働きがあります。 内服薬ではなく注射が一般的です。 |
SGLT阻害薬 | 腎臓でのブドウ糖の再吸収を抑え、尿から糖を排出することで体内で吸収される血糖を下げます。 その結果体重の減少の効果があると言われています。 |
当院では、食欲抑制剤(サノレックス)と脂肪の吸収を抑制するリパーゼ阻害薬(ゼニカル)を処方しております。
最近では通販などでダイエット効果のある医薬部外品やサプリメントが増えていますが、確実に効果を得たい場合は医療機関で処方されたお薬を飲むのが確実です。
また海外からの個人輸入などの場合、安全性の確認が十分に取れないリスクがあるため、安全のためにも病院・クリニックでの処方を受けましょう。
サノレックス(食欲抑制剤)
サノレックスがおすすめの方
- 食欲をコントロールできない
- ドカ食いしてしまう
- 一度にたくさん食べ過ぎてしまう
サノレックスの特徴
サノレックスとは国内で唯一厚生労働省が認可した食欲抑制剤です(正式名称マシンドール)。
脳の食欲の神経に働きかけることで、空腹を感じなくなり食べる量が減らします。
※BMIが35以上の高度肥満の方は保険が適用されますが、当院では自由診療を行っており保険適用となりません。
服用方法
・1日1回、1錠の服用です。
※昼食前に1錠服用していただきます。
・連続して3ヶ月(1日1回服用)までの処方を行います。
・安全を考慮しその後6ヶ月間は必ず間を空けていただきます。
血液検査について
サノレックスは、処方前に血液検査が必要です。
当院にて血液検査(別途血液検査代 5,500円)も行えますが、他院にて1ヶ月以内に受けられた採血結果があれば処方可能です。
その際、必要な検査項目がございますので、施術の流れと合わせ詳細は以下をご確認ください。
【当院で血液検査を受ける場合】
ご予約 → ご来院(カウンセリング・血液検査)→ 血液検査の結果が出次第当院よりご連絡→ご来院(処方)
(※血液検査の結果が出るまでに、平均2~3日かかります)
【他院で血液検査を受ける場合】
他院で血液検査 → 予約 → 血液検査結果を持参のうえ来院(カウンセリング)→その場で処方
(※検査項目が足りない場合は再度血液検査をお受けいただく必要があります)
必要な検査項目について∨
必要な検査項目
- 〈生化学検査〉
- ・血清総蛋白
- ・総ビリルビン
- ・ALP
- ・AST(GOT)
- ・ALT(GPT)
- ・LDH
- ・γ-GT(GTP)
- ・血清アミラーゼ
- ・総コレステロール
- ・中性脂肪
- ・HDLコレステロール
- ・尿素窒素
- ・クレアチニン
- ・尿酸
- ・血糖
- ・Hb-A1C
- ・CRP定量
- 〈末梢血液一般〉
- ・白血球
- ・赤血球
- ・ヘモグロビン量
- ・ヘマトクリット値
- ・MCH
- ・MCV
- ・MCHC
- ・血小板数
※血液検査の結果、問題があった場合はお薬の処方が出来かねます
※処方ができない場合も、血液検査代金のご返金はいたしかねます
サノレックスの料金
サノレックス〈1ヶ月分〉
¥15,400(税込)
※サノレックスのみ処方前に別途血液検査代5,500円必須です
※1度の血液検査で、以降6ヶ月間は検査なしで処方が可能です
サノレックスの副作用・リスク
●副作用
口渇、便秘、睡眠障害、胃部不快感などの可能性。
※個人差がございます。
●以下の患者様には投与できません
・心臓、肝臓、腎臓に関係するお薬を服用されている方
・緑内障、重症高血圧の方
・薬物、アルコールの乱歴のある方
・摂食障害、統合失調症の方
・妊娠中、授乳中の方
・18歳未満の方
●その他の注意事項
・サノレックスは、食欲抑制による体重減少が目的となります。脂肪吸引のように、脂肪を取り除くとは異なりますので、詳しくはカウンセリング等にてご相談ください。
・脂肪吸引の手術のご予定がある方や手術済みの方に関しましては、手術前後で1ヶ月期間を空けての処方となります。
・服用期間中の飲酒はお控えください
サノレックスの依存症について
サノレックスは、化学構造上「アンフェタミン誘導体」に属します。アンフェタミンは依存症の副作用があり、サノレックスもその可能性があるといわれています。
しかし、実際にはお薬への耐性が数か月でできるため、依存の症状はほぼみられません。
身体への依存よりも、サノレックスの副作用として20%の方に口の渇きや便秘、吐き気などが見られると報告されています。そのため医師と相談しながら服用を行うことが大切です。
ゼニカル(リパーゼ阻害薬)
ゼニカルがおすすめの方
- 脂っこい食べ物が我慢できない
- 食事制限をせずダイエットしたい
ゼニカルの特徴
ゼニカルは、世界80か国以上で利用されておりFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を受けた肥満治療薬です。有効成分オルリスタットにより、体内に脂肪が取りいれられるのを防ぐ働きがあります。食事と併せて服用することで、食事中に含まれる脂肪分の30%を体内で吸収されるのを抑制します。脂肪は、通常すい臓から分泌されるリパーゼという酵素によって分解され、体内に吸収されます。ゼニカルはリパーゼの働きを抑え、脂肪の吸収を抑制する為、吸収されなかった脂肪分は便として体外へ排泄されます。
服用方法
1日3回、食中または食後に1錠服用することにより、食事で摂取した脂肪分を吸収せず体外へ排泄させます。朝食、昼食など軽めのお食事を摂られる場合は服用する必要はございませんので、脂分の多い食事を摂取された時のみ服用して頂いて構いません。
ゼニカルの料金
ゼニカル〈1ヶ月分〉
¥18,590(税込)
ゼニカルの副作用・リスク
●副作用
- 頻繁に便意をもよおす可能性
- ガスによる胃腸の膨満や放屁
- 脂肪分や油分を含んだ排便
- 脂溶性のビタミンA・D・E・K不足
●以下の患者様には投与できません
- 特発性脂肪便症や熱帯性スプルー症などの、必須栄養分の吸収に障害のある方
- オルリスタット(ゼニカルの主成分)やカプセルに含まれているその他の成分にアレルギー反応を起こす方
- 妊娠、授乳中の方
●その他の注意事項
・ゼニカルを服用すると、便と共に油が出てくることがあります。
・意図せず油が出てしまうことがございますので、ナプキン等の使用をおすすめします。
サノレックス・ゼニカルの処方の流れ
①ご来院後、問診表をご記入頂きます。
↓
②内服が問題ないか医師と相談を行います。
↓
③お会計になります。
脂肪吸引との違い
サノレックスやゼニカルは食欲を抑えたり、脂肪の吸収を抑えることでダイエット効果があります。しかし全体的に体重を落とすことを目的としているので、部分的に痩せることはできません。
たるんだお腹を引き締めたい、二重あごが気になる、二の腕や太ももを細くしたいなど、気になる部位を痩せさせたい場合には脂肪吸引がおすすめです。