【失敗された?】脂肪吸引をしたけど取り残しがあります
2023.05.05
2024.01.11
痩身・ボディ
他院で脂肪吸引の施術を受けた方から
のご相談をいただきました。
今回の記事は、
脂肪吸引を受けたけど、取り残しがある
というご相談をいただきましたので、なぜそのようなことになってしまったのか原因と対策をご説明致します。
目次
患者様からのお悩み
※患者様からのご相談
脂肪吸引の術後に、患者様が抱える不満の一つに脂肪の取り残しが挙げられます。
他院で行ったのだけれども取り残しに不満を抱え、再度脂肪吸引のご相談に来院される患者様も沢山いらっしゃいます。
今回は脂肪の取り残しの原因について詳しく説明していきたいと思います。
術後の不満
皮一枚にすることは不可能
まず、知っておかなくてはいけないのは、脂肪吸引を行ったとしても脂肪をゼロにするという事は現実的に不可能です。
患者様の中には十分な脂肪が吸引されているにも関わらず、患者様側の過度の期待によるものが不満に繋がるケースもございます。
当院では、脂肪吸引のカウンセリングを行う際、患者様への説明として、皮1枚にすることは不可能ですという事を、念を押して伝えています。
術後、後悔を抱かないために
何故このような事を伝えるかというと、患者さんの中には大変稀ですが、
「皮1枚にしてほしい」「カリカリになりたい」「バービー人形のようになりたい」
という希望をお伝えになられる方もいらっしゃいます。
このような、希望に関しては現実的に難しいため、どんなにしっかり吸引を行っても、術後の患者様の不満へと繋がる場合がございます。
また、元来細くて脂肪吸引を行うような患者様ではないのに、ご来院される患者様は自分の皮膚をつまんで、こんなに脂肪がつまめるのですと言われる患者様もいらっしゃいます。
脂肪吸引への過度な期待が、取り残しの不満として解釈されているケースも稀にございます。
しかし、殆どのケースは十分な吸引が行われていないケースといえます。
では、どの程度が取り残しで、どの程度が十分な吸引なのかという問題になってきます。
脂肪の構造
以下に脂肪の構造を説明していきます。
皮下脂肪層とLFD
脂肪の構造は皮下脂肪層とLFDといわれる2層に分かれています。
皮下脂肪層には細かい毛細血管や細かい神経、リンパなどが走行しています。
LFDには血管も神経もない、脂肪の塊のような層になっています。
エステなどで行われる痩身マッサージは、マッサージにより皮下脂肪層の血流を即し、皮下脂肪を燃焼させるというものです、血管のないLFDはマッサージには反応しません。
すなわち、ダイエットというのは皮下脂肪を少し薄くするだけで、LFDを減らすことは出来ないのです。
脂肪吸引は、このダイエットに反応しないLFDを除去するという発想から生まれたものです。
その為、従来の脂肪吸引はダイエットに反応しないLFDのみを除去するというものでした。
しかし実際にはLFDのみの除去では効果が出ませんので、皮下脂肪層も吸引していく事で、脂肪吸引の効果は出るように発展しました。
最新機器の効果
今現在でも、LFDの除去しか行わないクリニックもあります。
当然、効果は低いため、術後の不満として、取り残しを訴える患者様は多いと想定されます。
LFDのみの除去
LFDに加え皮下脂肪層も除去
しかし、皮下脂肪層には毛細血管や細かな神経、リンパなどが走行しています。
皮下脂肪層も吸引するという事は、LFDのみの除去に比べ、毛細血管の損傷による術中の出血、細かい神経の損傷による術後の痺れ感、リンパの損傷による術後のむくみなどが出やすいといえます。
勿論、重要な血管、神経ではないため、時間と共に回復します。(やってはいけないのは筋肉層を傷つけて出血させてしまう事です。)
この皮下脂肪層を安全にどこまで吸引出来るかというのが、クリニックや医師の技量に関係してきます。
すなわち、皮下脂肪層までしっかり吸引出来る医師のもとで行えば、術後の取り残しの不満というのは発生しにくくなります。
術後の経過として、内出血、痺れ感、むくみなどは当然出るもので、これらの症状が少ないと宣伝しているようなクリニックの場合、十分な皮下脂肪層の吸引は行われていないと考えた方が良いでしょう。
また、ベイザー脂肪吸引を使用すると、効果が高い、血管や神経を傷つけないため術後の経過が軽いなどの宣伝も多数見かけますがそのような事はありません。
以下の記事でベイザーの実態についても解説しておりますので、宜しければご参考ください。
「最新の脂肪吸引機器《ベイザー脂肪吸引など》の裏事情」の記事はこちら
LFDのみの吸引しか行っていない、術後の負担は少ないが十分な満足は得られない
皮下脂肪もある程度は吸引しているが十分ではない 術後の負担はある
皮下脂肪層まで十分吸引している 術後の負担はある
又、皮下脂肪層の吸引は難しく、むやみやたらに吸引を行えば凸凹の原因となります。しかし、あまり控えめに吸引しすぎても効果は出ません。
満足ができる施術とは
大切なのはギリギリまで取ること
他院の術後の患者様を診ている限り、60%位の脂肪を吸引している位が一般的なように思えます。
多いところで70%といったところでしょう。
しかし、私どもは以下のように考えています。
患者様の理想値は医師が思っている以上に高く、通常の吸引では満足しないケースが多い。
すなわち一般的な脂肪吸引で出せる効果と、患者様が求めている効果にはギャップがあります。
実際に脂肪吸引に関しては、医師側はしっかり吸引を行っているのに、患者様は満足しないというケースが多数あります。
患者様側からすると、まさに取り残しているという術後の不満であります。
私どもが多数の患者様を診てきて思うのは、患者様の満足の到達点は、吸引後に患者様がもうこれ以上は取れないなと感じて頂けるところなのではないかと思います。
その為、当院では安全に凸凹しないように、ギリギリまで(90%程度)吸引することを追求して、何千例もの症例から、今の脂肪吸引を完成させることが出来ております。
又、患者様は吸引量を気にする方が多いのですが、大事なのは吸引量ではなくて、その患者様の脂肪のギリギリまで取るという事です。
以下にわかり易く説明します。
不満が出るケース
仮に総脂肪量が5000ccの患者様が一般のクリニック60~70%除去したとすると3000cc~3500cc吸引。
脂肪量だけ見ると多いですが、1500~2000ccの脂肪が残っている為、術後に取り残しの不満が出るケースが多いといえます。
満足するケース
仮に総脂肪量が3000ccの患者様が、当院で90%除去したとすると2700ccの吸引になります。
上記の患者様と比較すると、吸引量自体は少ないですが、ほぼ脂肪を取り切っている為、術後に取り残しの不満が出ることはありません。
すなわち大事なのは、吸引量は人ぞれぞれで、その人なりにもうこれ以上は取れないなと感じるところが、患者様の満足地点であるという事になります。
又、誤解がないようにお伝えしておきますが、ギリギリまで取るとガリガリになるのではないか、女性らしさがなくなるのではと思われる方もいるかもしれませんが、そのような事はありません。
むしろ、これくらい吸引して、はじめて患者様が納得する位程度の細さになるという事です。
さらにギリギリまで吸引するからと言って、ボディラインを無視するわけではありません。
残すべきところは残します。
あくまで、必要な部分をギリギリまで吸引していくという事です。
一般的な60%程度の吸引では、殆どの患者様が、実感が少ないあるいは十分な満足に達していないというのが当院の見解です。
もちろん患者様によっては控えめに吸引したいという患者様も稀にいらっしゃいます。
そのような場合には、ご希望通りに控えめに行う事は容易です。
ギリギリまで吸引出来る医師が控えめに吸引することは容易といえます。
反対に、控えめにしか吸引出来ない医師がギリギリまで吸引することはできません。
クリニックの見極め方
多くの患者様は脂肪吸引の結果に「こんなものかな」という位に納得しているケースがほとんどなのですが、中には不満を持ち当院に再手術を希望して来院される患者様も少なくありません。
最初に申した通り、脂肪をゼロにするという事は現実的に不可能です。
そして、どの程度が取り残しで、どの程度が十分なのかというのは、患者様の求めるものにもよりますし、患者様が取り残しと感じたからといってその脂肪吸引が失敗という事にはなりません。
大事なのは、患者様がこれらの知識を持って、クリニックを選ぶ際に、自分の希望と照らし合わせて選別できるかという事が重要になります。
HP上などでの宣伝は、どのクリニックも良いことが書かれています。
HPだけで、患者様が見極めることは難しいと思いますので、以下に当院なりの見極め方を記載しますので、参考にされると良いと思います。
【1】ボディラインを重視した脂肪吸引を強調しているクリニック
絶対ではありませんが、このようなクリニックは脂肪吸引量が少ないケースが多いでしょう。
当院においてもギリギリまで、吸引するからといってボディラインを無視しているわけではありません。
残すべきところは残して、取るべきところをギリギリまで吸引するのです。
下記によくある患者様のボディライン希望例:【内腿に隙間が欲しい 膝周りの脂肪が気になる まっすぐなラインにしたい】を内側部分の吸引を例に挙げ【吸引量が少ないクリニック】で受けた場合のケースと【当院】で受けた場合のケースを交えてを説明します。
吸引量が少ないクリニック
こちらで受けられた患者様以下のような不満を感じるケースが多いです。
- 内腿のお肉がまだつまめる、残っているという不満
- 膝周りがスッキリしていないという不満
当院の脂肪吸引
当院で受けられた方が実感できることは以下の通りです。
- 内腿はギリギリまで吸引するため、隙間もでき、患者様もこれ以上は取れないということを実感できる
- 膝周りもしっかり吸引するためすっきりする
- 中間の部分は少し残すことで、まっすぐなストレートなラインを作る
- ギリギリまで吸引しつつも、ボディラインを作り上げる
ギリギリまで吸引したからボディラインを作れないという事ではないのです。
むしろボディラインを重視しているというクリニックに限って吸引量が少ないケースが多いといえます。
仮に、術後に患者様が取り残しの不満を訴えたとしても、クリニック側は「ボディラインを重視しているのでこれ位が丁度よい」という説明になるだけでしょう。
このようなケースが多いという事を念頭に入れて、カウンセリングを受けてみると良いかと思います。
一部の大手クリニックでは、十分な吸引が出来ない新人医師が多いため、患者様の希望に合わせて新人医師の場合はボディラインを重視した先生、ベテラン医師はしっかり吸引することを重視した先生などと説明して、新人医師にも症例を経験させているという例もあります。
【2】極端にダウンタイムを短く宣伝しているクリニック
上記でも説明をしたように、皮下脂肪層までしっかり吸引を行えば、多少なりとも毛細血管がダメージを受けるため、ある程度の出血はします。
LFDしか吸引しないのであれば、そこには毛細血管はありませんので、出血も殆どしません。
術後の負担も少ないといえます。
当院で使用している「アキーセル」の場合、周辺組織を温存して脂肪細胞だけを吸引することで、ある程度ダウンタイムを軽減することができますが、それでも脂肪吸引のダウンタイムが数日で終わることはありません。
そのため「1day脂肪吸引」など、極端にダウンタイムが短く宣伝されている場合は、LFDのみの吸引あるいは、LFDに加え少量の皮下脂肪の吸引程度で、十分な吸引をしていない可能性が高いと考えられます。
良くあるケースとして「ベイザー脂肪吸引はダウンタイムが短い」と宣伝されていることがありますが、実際はそのようなことはありません。
ベイザー脂肪吸引は、脂肪を吸引する機械ではなく、ベイザー波の熱で脂肪を溶解する機械です。
溶解した後の脂肪は、通常のシリンジ法で吸引して行きます。
溶解した脂肪だけを吸引する場合、確かにダウンタイムの軽減が期待できますが、皮膚近くの脂肪にベイザー波をあてると熱傷のリスクがあるため、ベイザー波は中間層の脂肪にしか使用できません。
ベイザー波を使用した上で皮膚近くの脂肪までしっかり吸引していく場合、溶解できない皮膚近くの脂肪は、従来のシリンジ法で吸引していくことになります。
そのため、結果的にダウンタイムが軽減されることはありません。
反対に、ベイザー脂肪吸引でダウンタイムが軽減されているのであれば、溶解されている中間層の脂肪までしか吸引できておらず、皮膚近くの脂肪は取り残している証拠と言えます。
これらの事も参考にして、カウンセリングを受けてみると良いでしょう。
まとめ
実際多くのクリニックでは、60~70%位の吸引が殆どです。
ベイザーなどを使用して90%の脂肪が取れるなどという宣伝文句も広告のPRにしかすぎません。
実際に、90%の脂肪を的確に吸引していく為には熟練した医師の技術以外にはありません。
もちろん患者様によっては、控えめに吸引したいという患者様もいらっしゃるため、皆がしっかり吸引したいという患者様ではないのも確かです。
しかし、この記事のタイトルを見て読まれる方のほとんどは、術後の取り残しに不安を抱いている患者様のはずです。
今回の記事を参考にして、自分の行うクリニックが自身の希望に合っているのかを、注意してカウンセリングを受けてみると良いでしょう。
この記事で取り上げている脂肪吸引の施術について、詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
脂肪吸引についてよくある質問
Q. 脂肪吸引で、皮1枚くらいに吸引することは可能でしょうか?
A. 皮1枚にすることは、現実的に不可能です。脂肪吸引を行ったとしても、脂肪をゼロにすることはできません。
Q. 脂肪はどのような構造になっているのですか?
A. 皮下脂肪層とLFDという層に分かれています。皮下脂肪層には細かい毛細血管や細かい神経、リンパなどがあり、LFDは血管や神経は無く、脂肪の塊のような層です。
Q. ダイエットでは脂肪は無くならないのでしょうか?
A. ダイエットでは、血流の促進によって主に皮下脂肪層に作用し、燃焼させます。そのため、LFDの層まで作用しないので根本的な脂肪除去にはならないのです。
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2023.05.05
2024.01.11
痩身・ボディ
監修医情報
医師
水の森美容クリニック 総院長 竹江 渉
経歴
平成10年 東京医科大学医学部卒業
平成18年2月 水の森美容クリニック開院
所属学会
麻酔科標榜医
BOTOX VISTA®認定医
ジュビダームビスタ®認定医
先月、太ももとお尻の脂肪吸引を行いました。
2000cc位吸引したそうです。
しかし肝心なサイズですが1センチ程度しか変わっていません。
また写真を撮影すると毎回片側の下のお尻だけがずれて写ります。
取り残しがあると感じます。