脂肪溶解注射の効果がない?失敗しないためのポイント
2022.02.15
2024.11.22
痩身・ボディ
「実際のところ、効果がでているのか分からない」「効果がなかった」という声をネット上や、当院に来院された患者様からよくお聞きする脂肪溶解注射。
体に負担をかけず、短い施術時間で理想のボディラインになれるといわれているこの治療はその名の通り、脂肪を溶解し痩身効果を得るという治療です。
そう聞くと、【手軽に注射だけで部分痩せできる、理想の治療】のように思えますよね。
しかし、「脂肪溶解注射」とはあくまでも「プチ整形」の手軽な治療です。
患者様も治療を受けられる前には、どのような効果があるのかをきちんと理解してから治療に臨まれる必要があるかと思います。
今回は、そんな脂肪溶解注射について、そもそもなぜ脂肪溶解注射は効くのか?
どうすれば効果を感じられるのか?を相談内容を交えて紹介します。
目次
患者様からのお悩み
出産を機に、お腹周りにたくさん贅肉がついてしまい、なかなか取れずに悩んでいました。
腹筋などした方がいいのは分かっていますが、育児に追われてなかなか毎日思うようにできずにいます。
脂肪吸引をした人のブログを見て、すごくいいなと思ったのですが、やっぱり勇気がないので、脂肪溶解注射をやってみることにしました。
脂肪溶解注射は何度も打つ必要があるということで今2週間おきに通っています。
通い始めて1ヶ月半経つのですが、行くとサプリメントとの併用や食事制限(糖質など)についても言われたりします。
そして肝心な効果はイマイチわからずです。
今回のお悩みのように、脂肪溶解注射は、「太もも」や「お腹」などといった広範囲の脂肪を劇的に減らすことは残念ながらできない治療なのです。
ですが、脂肪吸引を行えないクリニックなどでは、脂肪溶解注射をあたかも絶大な効果のある治療かのように説明し、コースをすすめることも多いようです。
また、注射治療や簡単なレーザー治療は、バイト医師等でも簡単に出来てしまうため、ここ最近ではプチ整形などのみを扱う美容皮膚科が乱立している状態です。
そして、このような手軽な治療をあたかも高い効果であるような広告宣伝が目立ちます。
いわゆる医師という看板を利用した美容外科のエステ化現象が起こっております。
こういった状況が、患者様に不利益な状況になっているように思えます。
脂肪溶解注射は当院でも行っておりますし、脂肪溶解注射自体を否定するものではございませんが、医師はどの程度の効果が出るのかをしっかり説明して、患者様に提案すべきです。
それでは、脂肪溶解注射の効果を詳しくご説明していきたいと思います。
そもそも太って見えるのは何が原因?
まず、なぜ太って見えてしまうのかということからわかりやすく解説していきます。
上図をご覧ください。
左図はお腹の断面図です。
一番外側には皮膚があり、その下に脂肪層があります。
脂肪層の奥には筋肉層があり、さらに奥には骨や内臓があります。右図は足の断面図です。
お腹と同じく、表面が皮膚、その下が脂肪層となり、筋肉層、骨とがあります。
この構造はどの方も同じですが、どこが太くなっているかは個人差があります。
骨太の方もいれば、筋肉質な方もいます。
一般的にダイエットや痩身の美容医療などで効果を発揮できるのは、赤い斜線で示されている「脂肪層」の部分になります。
そのため、もともと脂肪が多い方の方が、治療の効果を実感しやすくなります。
脂肪溶解注射とはどんな治療?効果は?
気になる脂肪の部分に注射を打つだけというとても簡単な治療です。
治療時間も約10分程度ですので、気軽に打って頂けるということで興味を持たれる方も多いかと思います。
実際に、脂肪溶解注射で効果を感じやすいのは、頬や顎下などの「小さい部分の脂肪」です。
注射できる範囲も小範囲となりますので、決まった部位に何度も注入することで「少しスッキリした」という風におっしゃるかたも多いです。
顔の脂肪に対しては、ある程度の効果が出来るのではないかと思います。
しかし、体に対しては、脂肪量の多い部分ですので、注射のみで大きなサイズダウンというのは難しいのが現実です。
大きなサイズダウンや、見た目に大きな変化を求めるのであれば、焼け石に水にもなりかねません。
体に行うのであれば以下のようなニーズの場合が向いています。
①二の腕や二の腕の付け根部分を自己満足程度で良いので少しスッキリさせたい。
②太腿の内側のみ、少しスッキリさせたい
③膝周りのみ少しスッキリさせたい
これくらいのご希望であれば、患者様のニーズも満たしてくれるかもしれませんので、脂肪吸引等の手術までは考えていないという患者様である場合、選択肢の一つに入れて良いかと思います。
しかし、太ももやお腹などをしっかりサイズダウンさせたり、写真上や見た目上でも大きな変化を望むのであれば難しいというのが現状です。
太ももやお腹をしっかりとサイズダウンしたいという方は、脂肪吸引の方が適していると言えます。
脂肪溶解注射の薬剤
以下には脂肪溶解注射の代表的な薬剤をご説明します。
現在、脂肪溶解注射の代表的な薬剤はメソセラピーとBNLSというものがあります。
それぞれについて説明していきます。
メソセラピー
一度に注入できるのは、両手の平サイズのみとなり、効果を実感して頂くには同じ部位に3〜6回程度注入していく必要があります。
体に対する効果は上記の説明のとおりです。
顔に対しての効果は期待できるのですが、プチ整形という部類の割には1週間程度の腫れが強く出るというのが難点です。
顔に対しては、以下に説明するBNLSは腫れがないため、こちらで行うほうが良いのではと思います。
しかし、メソセラピーと比較すると多少割高になる為、当院では量が沢山必要とする体に対しては、患者様のコスト的な負担も考えメソセラピーを勧める事が多いといえます。
メソセラピーも体に注射する場合は、腫れは気にならない程度です。
効果もBNLSとは変わらないというのが、当院の見解です。
BNLS
以前からあったメソセラピーの腫れるという欠点を補って後から出てきた治療です。
顔に対しては、脂肪溶解の効果以外にむくみも軽減する作用がある為、効果の実感が高くニーズの高い治療です。
体に対しては、一度に注射出来る量も20ccまでと、両手の平サイズ程度の範囲までです。
体に対して、複数回行うと、脂肪吸引の値段よりも高くついてしまします。
脂肪吸引の効果には全然及ばないにも関わらず、費用は高額となると、選択肢としては、あまりお勧めできる治療ではなくなります。
上記に脂肪溶解注射の説明をしましたが、やはり患者様のご希望に対して、脂肪吸引との比較になってくるかと思います。
物理的に脂肪を吸引する脂肪吸引と、注射でわずかに脂肪を減らす脂肪溶解注射では、効果に雲泥の差があるのが現実です。
しかし、脂肪吸引に対しては、中々踏み切れない方や、そこまでの効果を求めていない方もいらっしゃるかと思いますので、ご自身の希望と照らし合わせ、治療を選択する必要あります。
最後に、脂肪溶解注射を選択する患者様が失敗しないためのアドバイスも記載いたします。
失敗しないためのアドバイス
脂肪吸引が提供できないクリニックも多い
最近では、美容皮膚科でも脂肪溶解注射を施術メニューとして提供しているクリニックがありますが、
よくあるケースとして「効果が出るまでに時間がかかるから」という理由で
セットメニューをお勧めされるケースがあります。
どうしても美容皮膚科で治療を受けられたい場合は、ある程度の営業行為なども
存在する、またその裏にはオペメニューがないという事情も踏まえた上で、相談に行くのが良いでしょう。
脂肪溶解注射が決して悪いものというわけではありませんが、患者様自身が、どのようになりたいのかをしっかりと考えて選択する必要があるかと思います。
以下に、患者様のよくあるご要望とご要望に対する注意点および確認事項を記載させて頂きます。
【患者様のご要望】
細くしたい
【注意点・確認事項】
患者様には、ご自身がどの部分をどの程度細くしていきたいのかを明確にして頂く必要があるかと思います。
【患者様のご要望】
顎まわり、頬のあたりを少しだけスッキリさせたい。
二の腕の付け根の部分が少しスッキリしたらいいなと思う。
【注意点・確認事項】
このような方は脂肪溶解注射でも満足できるかもしれません。
一度で劇的な変化というのは難しいですが、ダウンタイムも少ない為手軽に受けられると思います。
しかし、部位によっては治療後に腫れが目立ってしまうこともあるので、事前にきちんとリスクも確認しておきましょう。
【患者様のご要望】
太ももを5センチ細くしたい。
お腹をスッキリさせ、さらにクビレが欲しい。
【注意点・確認事項】
このような方は脂肪溶解注射は向きません。
たとえ10回治療をしても思い描く効果を得ることは難しいのが現実かと思います。
ダウンタイムなどの問題もありますが、抵抗がなければ脂肪吸引をオススメ致します。
正しいクリニック選び
数多くあるクリニックの中で、失敗しないためにもご自身のニーズをきちんと見極めてくれるクリニックを見つけることがとても大切です。
この記事最後に、正しいクリニックを選ぶ上で大切な重要なポイントを書かせて頂きましたので、こちらを把握した上でクリニック選びにお役立てください。
【ポイント】
①クリニックや医師が患者様のニーズをしっかり理解して提案してくれるかどうかを確認する
ご自身が求めている効果がどの程度のものなのか、脂肪吸引自体の選択肢があるのかどうか、ご予算などこういった、患者様のニーズをしっかり把握し、患者様のご希望に合った治療をご提案してくれるクリニックを選ぶことが必要不可欠です。
②脂肪溶解注射だけでなく、脂肪吸引も行えるクリニックが良い
美容皮膚科等での治療は、あまりお勧めできません。
何故なら、手術の選択肢がないため、どうしても脂肪溶解注射を勧めるしかないからです。
そして、殆どの美容皮膚科が商売として、多額のセットコースなどを勧めて利益を得ようとします。
どうしても美容皮膚科を選択される場合は、ある程度の営業行為があるという現実も踏まえたうえで相談に行くのがよいでしょう。
極力、その場で契約せず、一旦持ち帰ってから考えるという事が大事です。
やはり、脂肪吸引も行えるクリニックで、双方のメリット、デメリットを正しく伝えて提案してくれるクリニックが安心です。
この記事で取り上げている脂肪溶解注射(メソテラピー)について、詳しく知りたい方は以下をご覧ください
【脂肪溶解注射(BNLS)(水の森美容クリニック 公式サイトへ)】
脂肪溶解注射(BNLS)についてよくある質問
Q. 脂肪溶解注射は、どのような部分におすすめですか?
A. 脂肪溶解注射で効果を実感しやすいのは、頬や顎下などの小さい部分の脂肪です。
Q. どのような方に脂肪溶解注射は向いていますか?
A. 以下のようなニーズに向いている施術です。①二の腕や二の腕の付け根部分を自己満足程度で良いので少しスッキリさせたい。②太ももの内側のみ、少しスッキリさせたい。③膝周りのみ少しスッキリさせたい
Q. BNLSは、どのようなものですか?
A. 従来のメソセラピーにあった腫れてしまう欠点をカバーし、お顔の注入時には脂肪溶解のみでなく、むくみ軽減の効果も期待できます。
医師による無料のカウンセリング
診察は全て医師が丁寧に行い、必要な治療法のみをご提案いたします。
美容医療が初めての方でも、まずはお気軽にご相談へお越しください。
2022.02.15
2024.11.22
痩身・ボディ
監修医情報
医師
水の森美容クリニック 総院長 竹江 渉
経歴
平成10年 東京医科大学医学部卒業
平成18年2月 水の森美容クリニック開院
所属学会
麻酔科標榜医
BOTOX VISTA®認定医
ジュビダームビスタ®認定医
とにかく足が太いのがコンプレックスです。
特に太ももが太いのが一番嫌で、いつも行っている美容クリニックでそのことを相談したところ、痩身のレーザーと脂肪溶解注射をお勧めされたので、とりあえず太ももの内側に脂肪溶解注射を打ってみました。
しかし、効果がありません(>_<)泣きたいです。
やっぱり生まれつき足が太い人はどうにもなりませんか?