涙袋のヒアルロン酸の失敗例と失敗しないためのポイントを解説
2022.02.16
2024.11.21
お目元 切らない施術
可愛らしい印象になれる、顔の印象を柔らかくする事が出来る、目を大きく見せることができると女性に人気のヒアルロン酸注入。
最近では、涙袋を大きく見せるための化粧品なども流行しています。しかし、毎日涙袋を書くのが面倒だったり、 ノーメイクの状態でも涙袋が欲しいという方は、涙袋のヒアルロン酸注入を検討されたことがあるのではないでしょうか。
ヒアルロン酸注入は比較的安全性が高く、施術時間は数分程度、施術直後にメイクも可能なので、お手軽なプチ整形として多くの方に選ばれています。
しかしながら、失敗例も少なくないのが事実です。
今回は涙袋のヒアルロン酸注入を受けた方が「失敗かも?」「やらなきゃよかった」と後悔してしまった事例とその原因について詳しく解説していきます。
目次
患者様からのお悩み
先日、整形外科で涙袋注入をしました。
確かにヒアルロン酸を入れてぷっくりはしたのですが、涙袋、というより、ただ目の下が腫れている、といった感じで他人からは心配され、自分で見ても、涙袋には見えません…
とにかく、腫れぼったい、という感じです。もっと涙袋がくっきりとするものかと思っていたので、とてもショックです。
値段も8万円弱だったので…
何日か経てばもっと涙袋の形がハッキリとしてくるのでしょうか??
涙袋へのヒアルロン酸注入は、手軽に可愛らしい印象になれると若い女性を筆頭に大変人気の施術となっております。
しかし、正しい知識を持っていない医師が治療を行った場合、今回頂いたお悩みのように「注入したのに変化がない」「涙袋というよりも目の下が腫れて見える」といった失敗に繋がることもあります。
以下に、涙袋形成で考えられる失敗の原因について私、総院長 竹江渉が詳しく解説させて頂きます。
涙袋とは
涙袋とは、下まぶたの目の際の膨らみのことを言います。
本来涙袋は、眼輪筋という目の周りを取り囲む筋肉の盛り上がりによって涙袋が形成されます。
涙袋があることで、可愛らしい印象や若々しい印象になり、また目を大きく見せたり、つり目を緩和する効果もあります。皆さんも涙袋が印象的なアイドルや女優さんをテレビでよく目にされるのではないかと思います。
その為、涙袋を作りたいというニーズはとても多いといえます。
涙袋形成は目の下にヒアルロン酸を注入することによって自然な涙袋を形成することが出来ます。
涙袋のヒアルロン酸注入
涙袋のヒアルロン酸は、注射によって下まぶたのまつ毛の際の涙袋の部分の皮下にヒアルロン酸を注入します。
注入するヒアルロン酸の量は片方につき0.1〜0.2ml程度と少量です。
当院では、局所麻酔を使用しているので、注入時の痛みはほとんど無いか、あってもわずかで、施術の時間は5〜10分程度で終わるため、患者様の苦痛は非常に少ないでしょう。
また、皆さんが気になるダウンタイムについてですが、術後に腫れや痛みはほとんど無く、まれに少量の内出血が出ることがありますがメイクでカバーできる程度です。
このようなことから涙袋のヒアルロン酸注入は皆さんに手軽に安心してお試し頂ける施術だと思います。
しかし、プチ整形といえども、涙袋の注入は奥が深く、施術をする医師にはしっかりとした技術や解剖学的知識、そして経験が必要です。
口コミで挙げられているような失敗例は下記の2つの要因によって起こります。
①医師の技術的な問題
②医師の知識や経験に基づき、患者様の目が涙袋形成に向いているのかを診断する診断能力の問題。
実は、涙袋形成は、すべての患者様が綺麗に膨らむわけではありません。
患者様の目の状態によっては、膨らみにくい場合も少なくないため、術前に見極めて治療を提案しないと、「すぐになくなった」「全然膨らまなかった」「左右差が出来た」「入れすぎてタルミのように見える」という失敗例に繋がります。
このように医師の知識不足や経験不足により、効果の出ない患者様に注入をしているケースも少なくないのです。
それでは涙袋のヒアルロン酸注入で起こりがちな失敗例を一つづつ紐解いて説明していきましょう。
涙袋のヒアルロン酸注入で起こりがちな失敗例
以下に、口コミに挙げられるような失敗例も含め、涙袋注入によくある失敗例と、その原因について解説していきます。
変化がなかった、綺麗に膨らまなかった、タルミが大きくなった
涙袋のヒアルロン酸注入で医師がまず始めに見極めなければならないポイントがあります。
それは、それぞれの患者様が、“涙袋が膨らみやすいタイプ”か“膨らみにくいタイプ”かということです。
膨らみやすいタイプだと、比較的少量のヒアルロン酸でもくっきり綺麗に仕上がるのですが、膨らみにくいタイプでは思うように涙袋が大きくなってくれない、もしくは境界がぼやけているためくっきり涙袋が膨らまない場合があります。
これらの診断が的確に行われていないケースが非常に多く、そのような医師のもとで注入が行われ、今回の口コミのようなケースに繋がっている例が非常に多いように思えます。
では、どの様なタイプが膨らみにくい傾向があるのか解説していきます。
【目の下に脂肪が突出しているタイプ】
加齢による変化として、目の下の脂肪が突出してきます。患者様はこの突出した脂肪をタルミとして認識している事が多いようです。
眼球の奥には眼窩脂肪というものがあり、眼球を取り囲んでいるのですが、この脂肪は年齢とともに重力の影響で下方にずり落ちてきて眼球の下で前方に突出します。
すると目の下の部分に膨らみが生じていわゆるタルミのような状態にみえるのです。通常では30、40代頃から徐々に目立ち始めてきますが、遺伝や骨格の影響で、10代から出ている患者様もいらっしゃいます。
<目の下の脂肪が出ている方>
この目の下のタルミ(膨らみ)があると涙袋のヒアルロン酸注入が綺麗に仕上がりにくいことがあります。
綺麗な涙袋というのは、涙袋がくっきりしている状態であり、涙袋の境界が切り立って盛り上がっていることが望ましいのです。
しかし、目の下のタルミ(膨らみ)は位置的には涙袋の直下にあり、この膨らみによって涙袋の境界がなだらかになってぼやけてしまいます。
これではくっきりしないばかりか、涙袋とタルミが合体してよりタルミが大きくなって老けた様な印象が強まってしまう可能性があるのです。
くっきりしないからと言って、たくさん注入すれば良い訳ではありません。
脂肪の突出により構造的にくっきりしにくいわけですから、多量に入れたとしても思ったように膨らまず、ただタルミがどんどん大きくなったようになり、術前よりも老けたような印象に見えるので注意が必要です。
特に目の下のタルミ(膨らみ)が徐々に大きくなってくる30代後半、40代以降の患者様に対しては慎重に判断する必要があります。
又、20代位の患者様でも、軽度に脂肪が突出しているケースも多く、そのような場合にも膨らみにくいことがあります。
上記のお写真では、明らかに脂肪が突出しているのがわかる写真で解説しましたが、以下の患者様ではどうでしょうか?
わずかながらに脂肪が突出しているのがわかるかと思います。
上記程度の脂肪の突出でも、涙袋がくっきりしにくい原因となります。
この脂肪の膨らみによって、涙袋の膨らみが阻害されるという知識は、意外と知らない医師が多いのです。
上記のようにわずかな脂肪の突出の場合は、注入する際に注意が必要です。
ある程度注入してみて膨らみが悪い場合、膨らまないからといってヒアルロン酸を追加し過ぎると、膨らむどころかタルミのように目の下まで膨れ上がってくるのです。
このように目の下の脂肪の突出を注意してみるという事が、術前に涙袋の注入を行うべきかどうかの判断に重要だという事がご理解できたかと思います。
術前の診断が不十分で注入が行われた際に、今回の口コミのように「膨らまなかった」、「入れすぎでタルミのように見えてしまった」という失敗例に繋がることが多いと考えられます。
参考までに、脂肪の突出があり、涙袋が上手く膨らみにくい方の場合、脂肪を除去する治療を行えば、涙袋がヒアルロン酸によりふっくらさせられる状態にすることはできます。
左右差が出た
こちらも術前の診断が非常に大切となります。
先ほどの写真を、再度見てみましょう。
左右の脂肪の突出具合が、わずかですが違うのがお判りでしょうか?
すなわち左右で、膨らみやすさというかくっきりしやすさがそもそも違うのです。
これらは、ヒアルロン酸の量を左右で変えても、同じようにくっきりにすることはできません。
むしろ、左右差を調整しようと、無理に追加することで、入れすぎてタルミのように見える失敗の原因になります。
このように左右差に関しても、術前に正しく診察して、患者様に伝えることが非常に大切となります。
又、元々目の形は写し鏡のように、全く左右対称という訳ではありません。
涙袋も同じ様に、左右に全く同量入れたとしても、必ずしも同じ大きさや形になる訳ではないのです。
しかし、あまり細い左右差を気にしすぎてしまうと、調整の為どんどん注入することになり、気づいたら入れすぎになってしまうことがあります。
その為、あまり細かい左右差に関しては、患者様のほうでも許容する姿勢も必要です。
大きくなりすぎてしまった
ヒアルロン酸の入れ過ぎにより、不自然なくらい大きくなり過ぎてしまうという失敗例も少なくありません。
涙袋を大きくするといっても、やはり自然に見える範囲にとどめておくべきでしょう。
なかには、不自然な位大きくしたいという患者様もいらっしゃいますので、ご希望をよくお伺いして注入しうるという事が大事ですね。
又、不自然な位大きな涙袋を希望しているわけではないのに、気づくと不自然に大きくなってしまうという例も少なくありません。
これは複数回の繰り返しの注入でどんどん大きくなってしまうケースが挙げられます。
涙袋は比較的ヒアルロン酸が長持ちしやすい部位で、一年以上大きさを保っていることもよくあります。
しかし、患者様の心理として、例えばヒアルロン酸はすぐになくなってしまうという情報があると、一定期間経過すると無くなってきてしまったと感じたり、毎日鏡でご自分のお顔を見ていると、感覚が麻痺して今の涙袋が大きいのか小さいのかわからなくなってしまうこともよくあります。
するとまだまだ大きいのに次々と注入することになり、気がついたら大きくなりすぎてしまった、ということになります。
上記のような事例は、他院での注入で良く見かけます。
芸能人などで、良く入れすぎて不自然という人を見かけると思いますが、皆、綺麗になるために行っているはずで、不自然になりたくて行っているはずはないのです。
しかし、上記のような原因で、気づくと入れすぎになってしまう患者様も非常に多いというのが現状です。
クリニックとしては、5分~10分の治療で数万円の売上になりますし、患者様のご要望を受けて入れ顧客満足にも繋がるので、不自然になってしまうと分かっていながらも施術を行うクリニックもあります。
当院では、これ以上の注入は不自然になると判断した場合、 患者様のお話をしっかりと傾聴したうえで、 もう少し期間をあけてご来院いただくよう促します。
患者様の希望されるままに注入するのではなく、適切にアドバイスしてくれる医師のもとで注入することが、とても大事であるといえます。
その為当院では、患者様にヒアルロン酸の経過や持続の仕組みについて、しっかり説明して情報提供をしておくことを心掛けております。
すぐに小さくなった
大きくなりすぎてしまったという失敗とは反対に、すぐになくなってしまったという不満も耳にします。
理由としてはヒアルロン酸製剤の問題が考えられます。
ヒアルロン酸製剤はたくさん種類があります。
そしてそれぞれ内容が異なり、硬いものや柔らかいもの、粒子が大きいものや小さいもの、粘性が高いものや低いもの、さらには品質の良いものや悪いものなど、多岐に渡ります。
品質の良し悪しは当然良いものを選ぶべきですが、注入部位によって適したヒアルロン酸製剤は異なります。
※ヒアルロン酸の製剤について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧くださいヒアルロン酸をしたが、すぐに元に戻ってしまいました。
単純に説明するとヒアルロン酸は硬いほうが長持ちしますが、硬い製剤は凸凹しやすいといえます。
反対に軟らかい製剤は凸凹しにくいので医師にとって容易に注入しやすいのですが、すぐに馴染んでなくなってしまいます。
すなわち、ある程度の硬さのものを凸凹しないように入れる注入テクニックが必要になります。
クリニックによっては、凸凹しにくく、注入が容易であるという理由で、柔らか目の製剤を用いているケースも少なくありません。
このようなケースでは、注入したのにすぐになくなってしまったという事にも繋がってしまうので注意が必要です。
涙袋の注入で失敗しないためには
涙袋のヒアルロン酸注入は、患者様にとっては簡単に手軽にできる施術ですが、医師にとっては実は様々な判断を要することがあります。
医師があまり安易に考えていると、例えば涙袋が綺麗に膨らまない原因を明確にできず、不用意にどんどん注入して気づいたら不自然になってしまうなど、患者様にご満足頂けない結果となることも起こり得るでしょう。
患者様も「プチ整形は簡単に出来るからどこでも同じ」と考えるのでは無く、一つ一つの施術に対して細いことまでしっかり考えているクリニック、知識や経験が豊富にあるクリニック、事前に詳しく診断して説明してくれるクリニックを選ばれることをお勧めします。
この記事で取り上げているヒアルロン酸注入の施術について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【ヒアルロン酸注入(水の森美容クリニック 公式サイトへ)】
【涙袋へのヒアルロン酸注入(水の森美容クリニック 公式サイトへ)】
涙袋のヒアルロン酸注射(注入)についてよくある質問
Q. 涙袋のヒアルロン酸注射(注入)をすると、どんな効果がありますか?
A. 目元が可愛らしい印象や若々しい印象になります。また、目を大きく見せたり、つり目の緩和にも効果が期待できます。
Q. 1回の注入量はどのくらいですか?
A. 注入するヒアルロン酸の量は、片目につき0.1~0.2mlです。
Q. 涙袋のヒアルロン酸注入でよくある失敗は何ですか?
A. 主な失敗例として、すぐに無くなってしまった・全然膨らまなかった・左右差ができた・注入しすぎでたるみのように見えてしまったなどが挙げられます。
医師による無料のカウンセリング
診察は全て医師が丁寧に行い、必要な治療法のみをご提案いたします。
美容医療が初めての方でも、まずはお気軽にご相談へお越しください。
2022.02.16
2024.11.21
お目元 切らない施術
監修医情報
医師
水の森美容クリニック 総院長 竹江 渉
経歴
平成10年 東京医科大学医学部卒業
平成18年2月 水の森美容クリニック開院
所属学会
麻酔科標榜医
BOTOX VISTA®認定医
ジュビダームビスタ®認定医
先週の土曜に大手の美容整形外科で涙袋形成をしました。
ですが、涙袋が全然出来ていません。
元々涙袋が全然なかったのですが、それにしても変化がなさすぎて 10万円も払ってこれか…。という感じです。
これは失敗したのでしょうか?