鼻のプロテーゼをしたら感染してしまった
2017.10.11
2024.11.21
お鼻
鼻のプロテーゼを入れることで理想の鼻の高さを手に入れることができます。
プロテーゼは安全で安心な素材ではありますが、1000人に一人ほどの確率で感染症などを引き起こすリスクがあります。
滅多におこりえない感染ですが、可能性はゼロではありません。もし感染をおこしてしまったらどうしたらいいのでしょうか。
当記事では、感染をおこしてしまった際の対処法や原因について解説していきます。
目次
患者様からのお悩み
鼻にプロテーゼを入れる手術をしたのですが、感染症を起こしてしまいました。
感染の原因を教えてください。
また、感染症を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。
今回は鼻にプロテーゼを入れて感染してしまった患者様のご相談です。
プロテーゼによる感染は1000人に一人ほどの確率となり、滅多におこりえないトラブルですが、 万が一起こってしまった場合、状態が悪化する前に早急に診察を受けてください。
今後の治療方針についても詳しく相談するといいでしょう。
以下に、鼻のプロテーゼで感染してしまった原因について、詳しく解説していきます。
鼻のプロテーゼが一体なぜ感染してしまうのか?
鼻にプロテーゼを入れて感染してしまうきっかけは様々ですが、以下、考えられる主な原因について話していきます。
①基本的には安全な素材だけど「プロテーゼは生体にとって異物」
まずはじめに、このプロテーゼというシリコンは生体にとっては異物であるということを理解してください。
異物というと聞こえは悪いですが、医療用のシリコンです。
一般の医療でも大動脈の人工血管などに使用されている安全なものです。
基本的に安全な素材ですが、一応生体にとっては異物なので、その異物自体は感染源になる可能性があります。
万が一感染が起きてしまったとしても、すぐにプロテーゼを抜去すれば治りますので、プロテーゼの手術自体は安全と認識して頂いて大丈夫かと思います。
また、抜去し症状が落ち着いてから、再度プロテーゼの入れ直しを行えば問題はありません。
感染はごく稀に起こりえる事態ですが万が一に備えて、しっかりとフォローしてくれるクリニックを選びましょう。
感染が起きた時には、原則抗生剤などの治療では改善しません。
もし当院でそのようなことがあれば、早急にプロテーゼを抜去し、症状を改善する治療に最善を尽くします。
また、今後の治療方針についても詳しくお伝えしていきます。
②注射(非吸収製剤)で異物を注入した場合
プロテーゼは固形のシリコンで、万一感染を起こしてもそのものを除去すれば治りますが、どうにもならないケースとして、レディエッセのような注射で異物(非吸収製剤)を注入した場合があります。
注射で注入したものは塊ではないので注入した製剤だけを完全に取り出すことはできません。
そのため感染が起こった場合には、有効な治療法がありません。
もし注射で鼻を高くする場合は、ヒアルロン酸が安全です。ヒアルロン酸は“ヒアルロン酸溶解注射”を用いて、溶かすことができるからです。
そのため、仕上がりがイメージ通りではない、など気に入らなければ溶解注射で溶かすことができますし、万が一、感染が起こったとしても、異物ではないので、抗生剤の内服程度で改善します。
実際にヒアルロン酸の注入で行った場合も、正しい知識のもとで注入を行えば、持続期間も非常に長く、このような非吸収製剤を使用する意味はまったくないという事が分かるはずです。
以下の記事も参考にされると良いでしょう。
【美容整形で失敗しないための秘訣】
鼻のヒアルロン酸を入れて、3・4年持つと言われたが、半年で無くなった。
注射で異物を注入する代表的な製材については、以下で詳しく説明していきます。
「非吸収製材」とは異物をまぶしたものを注射で注入する方法で、半永久的に持つと宣伝されているプチ整形です。
患者様の心理としては、「プロテーゼの手術には抵抗があるけれど、注射でなくなってしまうのは嫌」という心理があるようです。
こういった心理を逆手にとって、注射で「永久」「半永久」などという宣伝を見かけますが、非常に危険な製品ですので、行うべきではありません。
代表的な「非吸収製材」2つ
代表的な製材に『ダーマライブ・アクアミド』があります。医療用アクリル樹脂(いわゆるプラスチック)を細くしたものと水分を混ぜ合わせてできたもの=ジェル状プラスチックを注射で注入します。
かねてより危険性が指摘されているいわくつきの注入物です。
他には『エンドプロテーゼ』があります。
これはシリコンを溶かしたもの、つまりジェル状のシリコンです。
また、クリニックによっては非吸収製材の名称を別の名前につけ変えて、あたかも聞こえの良い独自のネーミングとして提供していケースもあるので気をつけてください。
過去に、これらの非吸収製材を注入した後、腫れや赤み、膿がたまって皮膚がただれたり、皮膚が壊死したりといった感染症や合併症の報告が多く出ています。
鼻のプチ整形で感染症の疑いがある場合、基本的には治療を受けたクリニックで診察を受けてください。
ただ、治療を受けたクリニックに相談に行っても担当医の診療があまりにも無責任だったという場合もあるようです。
注入する際は「半永久」の効果を謳いながら、数年後にはトラブルが生じて相談に行くと、もうとっくに吸収されているはずだから注入物が原因ではない、と説明するクリニックもあります。
まとめ
基本的にプロテーゼの手術においては、感染のリスクがまったくないわけではありませんが、極めて稀であり、起こったとしても正しい処置を行えば、後遺症等のリスクにつながることもなく安全といえます。
プロテーゼは人体にとっては異物ではありますが、極めて安全という事になります。
問題は、異物を注射で注入する非吸収製剤の使用にあります。
非吸収製材を注入して、数年〜数十年後にトラブルが発生したという報告は以前からたくさん出ているわけですから、美容医療の専門家・医師としてそれを知らないということはありえません。
知っていても知らぬふりをして使用するのは決して感心出来ることではありません。
安全性に対する意識が乏しく、このような製材を使用するクリニックが現存する事も考えられます。
患者様も、正しい知識を身につけて、治療やクリニックを選びましょう。
注射をするだけで手軽に治療できるプチ整形が流行していますが、注入材料には注意してください。
万一のことを考えてアフターフォローも含め、しっかりフォローしてくれるクリニックを選びましょう。当院では、このようなリスクも含めカウンセリングでお伝えしております。
この記事で取り上げている鼻の施術について、
詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
【鼻プロテーゼの施術(水の森美容クリニック 公式サイトへ)】
【鼻の構造(水の森美容クリニック 公式サイトへ)】
鼻プロテーゼについてよくある質問
Q. 鼻プロテーゼを挿入して感染が起きる事はありますか?
A. プロテーゼ自体、基本的には身体に安全な素材ですが、身体にとっては「異物」であることから感染が起きる可能性は0ではありません。
Q. 万が一、感染が起きてしまった場合はどうすれば良いでしょうか?
A. まず、すぐにプロテーゼを除去すれば問題ございません。感染時、抗生剤などの治療では基本的に改善はしないので、すぐに除去することが重要です。
Q. 非吸収製材で危険な製材はありますか?
A. 「ダーマライブ・アクアミド」と「エンドプロテーゼ」は、なるべく避けるようにしましょう。腫れや赤み、膿が溜まって皮膚のただれや壊死といった事例が報告されています。
医師による無料のカウンセリング
診察は全て医師が丁寧に行い、必要な治療法のみをご提案いたします。
美容医療が初めての方でも、まずはお気軽にご相談へお越しください。
2017.10.11
2024.11.21
お鼻
監修医情報
医師
水の森美容クリニック 総院長 竹江 渉
経歴
平成10年 東京医科大学医学部卒業
平成18年2月 水の森美容クリニック開院
所属学会
麻酔科標榜医
BOTOX VISTA®認定医
ジュビダームビスタ®認定医
1ヶ月前位に某美容外科で鼻のプロテーゼの手術をしました。
鼻呼吸が苦しい状況で変な匂いがします。
鼻がパンパンに腫れ、目元や頬まで腫れた感じがあります。
最初はむくみかなと思ったのでマッサージをしてみたら、鼻から膿が出てきました。
一度クリニックに診察に行くも、親身になってもらえず帰されました。
その後も膿は出続けています。
これはどういう状況なのでしょうか。薬で治るのでしょうか。不安でたまりません。