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「糸リフト」について患者様に知っていただきたいこと ~最新の論文から効果的なたるみ治療を見極める~
銀座院院長 竹村 和紀 インタビュー Vol.3
「糸リフト」について患者様に知っていただきたいこと ~最新の論文から効果的なたるみ治療を見極める~
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糸リフトの効果は未だに不確か
結論から先に申し上げますと、いずれの論文でも糸リフトが世に出てから数十年が経過しているにも関わらず、糸リフトの有用性と安全性に関して未だに明確なエビデンスがない、という残念な結果になっています。
特に長期成績は不良で、「医師と患者様の双方がそのことを十分に理解して施術を行うべきである」という、厳しめの記載となっている点は特筆すべきかと思います。
乏しい効果とたるみ再発のリスク
まず、①の論文についてです。
①の論文では、糸リフトの効果と安全性に関するメタ分析*に触れています。糸リフトやフェイスリフトに関連した全188の論文を精査し、最終的に12個の研究論文に関してメタ分析を行っております。
報告によると、糸リフトの効果自体は6ヶ月ほどで薄れ始め、12ヶ月で80~100%の方において効果が無くなっているとのことでした。また、42.3%の方が平均8.4ヶ月の間に、追加のたるみ治療をしなければならなかった点を指摘しています。
他にも50%の方が6ヶ月でたるみが再発、さらに14%の方は8週間以内に再発しているとのことでした。
一方で、糸リフトの効果が報告された論文も2つほどありましたが、いずれも糸リフトを販売している業者がスポンサーとなっており、その信憑性は不確かです。
*メタ分析とは、統計学の手法を用いて複数の原著論文のデータを定量的に結合させる総説論文を指します。