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「糸リフト」について患者様に知っていただきたいこと ~最新の論文から効果的なたるみ治療を見極める~
銀座院院長 竹村 和紀 インタビュー Vol.3
「糸リフト」について患者様に知っていただきたいこと ~最新の論文から効果的なたるみ治療を見極める~
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糸リフトの合併症リスクと満足度
②の論文では、糸リフトの合併症と6ヶ月後の患者様の満足度にフォーカスしたメタ分析についての内容です。
全26個の研究論文に関してメタ分析を行い、合併症の頻度について以下の報告が出ていました。
・腫脹(炎症が原因の腫れ) 35%
・皮膚のへこみ・くぼみ(陥凹) 10%
・皮膚の感覚異常 6%
・糸が透けて見える/触れる 4%
・感染 2%
・糸の盛り上がり 2%
また、50歳以上の患者様では有意に皮膚のへこみ・くぼみ(陥凹)*や感染*の頻度が高いことが報告されております。
*皮膚のへこみ・くぼみ(陥凹)(16% vs 5.6%) *感染(5.9% vs 0.7%)
また、術後6ヶ月における満足度の低下*を認めるという結果でした。
*満足度の低下(88% vs 98%)
現在主流となっている「溶ける糸」は、溶けない糸に比べて皮膚のへこみ・くぼみ(陥凹)の頻度*や、糸の盛り上がりの頻度*が低いという報告も出ています。
*皮膚のへこみ・くぼみ(陥凹)の頻度(3.1% vs 11.7%) *糸の盛り上がりの頻度(1.6% vs 7.6%)
しかしながら、50歳以上の方では合併症の頻度が高く、長期成績が認められていないことを医師から患者様へ対してしっかり告知すべきであると結論づけております。
最後に③の論文においても、同様の趣旨で長期成績と患者満足度に関して全192個の論文のうち、最終的に22個の研究論文のメタ分析を行ったものです。
結論は他2つの論文と同様で、糸リフトが導入され10年以上が経過しているにも関わらず、未だに糸リフトの有用性が証明できていないという結論に至っております。
十分なエビデンスが確立されるまで、術前に副作用や長期成績が不良であること、さらに非常に効果が限られたものであることを事前に患者様へ説明するべきである、という内容で終わっております。