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美容皮膚科医が解説!医療ハイフ治療とウルトラフォーマ―MPTについて
美容皮膚科医 金子 繭子 インタビュー
美容皮膚科医が解説!医療ハイフ治療とウルトラフォーマ―MPTについて
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ハイフ治療のリスクとエステハイフの危険性
エイジングケアに加えて二重あご改善にも効果的なんですね。
ハイフ治療は、何歳くらいの方におすすめですか?
金子男性や女性問わず、一般的には40代以降の方にはエイジングケアの一環としてもぜひ受けていただきたい施術です。
また、20~30代の方でも日常的に紫外線に当たる機会の多い方、極端な体重増減を繰り返している方にもおすすめです。
性別を問わず、幅広い世代の方におすすめできる治療ということで、世の中的にも人気が高い理由が伺えますね。
そんなハイフにもリスクはあるのでしょうか?
また、リスクの対処法について教えてください。
金子ハイフの治療にもリスクはあります。
超音波が骨に達した際の反射や、照射面が浮いてしまっていることによる皮膚損傷のリスクです。これを回避するには、ハイフを照射する部位ごとに適切な焦点深度と塗布するジェルの厚みを考慮した治療計画を医師や施術者がしっかり立てることが望ましいです。
また、顔面には、顔面神経という表情を作る際に大切な神経が、さまざまな深さで皮膚の下を走っています。
施術の際には、安全な深さを考慮してハイフ照射することで神経損傷を防ぎ、顔の皮膚が動きにくくなったり、唇の感覚が無くなってしまう事故防止にもなります。
昨今は料金が安い「エステハイフ」の人気が高まっていますが、事故のニュースも多い印象です。エステハイフへの見解を教えていただけますでしょうか?
金子仰る通り、最近ではセルフハイフやエステハイフの事故のニュースが目立ちますね。
ハイフ(HIFU)施術は、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為(医師法17条の『医行為』)に該当すると考えられ、2023年3月に消費者安全調査委員会(消費者事故調)が施術者を医師などに限定することや輸入機器の流通監視を強化することを厚生労働省に求めています。
つまり、専門的な知識を持たない一般の方やサロンスタッフがハイフの施術を行うことは、周知の通り事故の危険性がかなり高いと言えます。
また、医療機関においても合併症の可能性は0ではありません。
手軽なエイジングケア治療とはいえ、ハイフの施術も立派な医療行為の一環と捉えていただき、施術は慎重にご検討いただきたいと思います。